人材開発
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「会社は創業者が始めるが、終わりを定めるのは顧客である」
――進捗管理の精度ではなく、変化し続ける経営が勝つ―― CHRO FORUMアントニ・ガウディは、教会サグラダ・ファミリアの建築を通じて、「未完」という思想を生涯貫いた建築家である。彼は「私は始めるが、終わりを定めるのは神である」と語った。これは宗教的表現にとどまらず、人間の創造を自然と時間の流れに委ねる深い思想であった。・・・(続きを読む)
掲載日:2025年12月1日
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外国籍の社員が技能を発揮する職場をつくる
──現在と将来に向けた安心感を与えているか── CHRO FORUM日本企業の多くで外国籍社員が増加している。技能実習生や高度人材、専門職、留学生採用など形はさまざまだが、彼らは異国で生活基盤を築きながら懸命に働いている。しかし、現場では依然として、「外国人は使いにくい」、「どうせ長くは続かない」といった声が聞かれる。人事としてこの現実を放置すれば、差別や蔑視が静かに組織文化に根を張り、企業の信頼を損なうリスクがある。・・・(続きを読む)
掲載日:2025年11月4日
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AIは効率化ツールにとどまらず、管理職の役割を揺さぶる
──AIを駆使して上司を凌駕する部下が登場する時代へ── CHRO FORUM1990年代のハリウッドを思い起こしてみたい。当時、映画『ジュラシック・パーク』や『トイ・ストーリー』に代表されるフルCG映像は、まさに最先端技術の結晶であった。制作現場にはシリコングラフィックス(SGI)等の高性能のワークステーションが並び、一台数千万円、フル構成であれば数億円にも及ぶ設備投資が不可欠であった。これらのマシンを駆使できるのは、ILMやピクサーといったごく限られたスタジオに限られ、中小規模の制作会社はその領域に踏み込むことができなかった。まさに、「最先端の装置とエンジニアを必要とした参入障壁」が業界構造を形作っていた。・・・(続きを読む)
掲載日:2025年10月1日
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リーダーシップを向上させる「リーダー行動連鎖モデル」
──成功するリーダーの行動を6段階に分解してみると── CHRO FORUM活躍を認められ期待された人物が、マネージャー、支店長、部長、監督、艦長といったリーダーの地位を与えられた時、「成功するケース」と「失敗するケース」がある。その差は、自己流に確立したリーダーシップのスタイルを「改善する努力をするか」「しないか」にかかっている。変化する現場において、メンバーの活躍を通じて成果を出すためには、リーダーの取るべき6つの行動段階が存在する。私はこれを、「リーダー行動連鎖モデル」と名付けた。・・・(続きを読む)
掲載日:2025年9月1日
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AI時代のマネージャーと新しい監査部門の役割
──安易なAI導入は、思考力を奪い、監視社会を作る── CHRO FORUM変化が加速度的に進む現在、企業における中間管理職、特にマネージャークラスに求められる能力は、従来の「伝達者」「管理者」としての機能を超えて、変化の中核で価値を生み出す触媒としての役割を担うことにある。そのために筆者は、マネージャーに必要な知的・実践的資質を「12の総合知性」として定義してきた。・・・(続きを読む)
掲載日:2025年8月1日
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マネージャーの心に潜むインナーチャイルド
──心の奥底に隠れた幼少期の感情── CHRO FORUM現代の職場において、マネージャーは高い水準の合理的判断力、対人関係力を求められている。特に、変化の激しい環境や、利害の調整が求められる交渉、イノベーション推進といった局面では、いつもの業務遂行能力では乗り越えられない壁が立ちはだかる。そのような状況において、従来のように「思考バイアスに留意して」「感情に流されないように」といった方法だけでは限界がある。・・・(続きを読む)
掲載日:2025年7月1日
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人事部門は率先して、マネージャーの財務会計の理解力を高めよう
─マネージャーはキャッシュフローの循環をイメージできているか─ CHRO FORUM最近、経営幹部向けの財務会計の研修を担当する機会があり、改めて「マネージャーは貸借対照表とキャッシュフローの理解を深めるべきだ」と痛感した。・・・(続きを読む)
掲載日:2025年6月2日
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“SBAR”という報告形式で報告の品質を高める
──「伝えたつもりです」「聞いていません」を脱却する CHRO FORUM報告が正確に伝わらず、判断を誤り、現場が混乱する。このような事態は、企業規模や業種を問わず企業の現場で日々発生している。組織の中では、「ホウレンソウだ、まず報告だ」とか「結論から報告しなさい」という研修や指導が目立つ。しかし、この「ホウレンソウ」には限界がある。それは、報告形式に一定の構造がないために、①内容が不足し、②優先順位がばらつく傾向があることだ。・・・(続きを読む)
掲載日:2025年5月9日
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人事部門が意識すべき「人材、設備・技術、ブランド」への投資─戦国大名とエスコンフィールドHOKKAIDOからのヒント─ CHRO FORUM
投資に関わる「3つの決断」 どんな時代でも、投資に関わる「3つの決断」は経営者の責務である。それは突き詰めれば、「人材投資」「設備・技術投資」「ブランド投資」である。これらの投資がタイムリーに行われることで、企業の成長と競争優位が確保される。・・・(続きを読む)
掲載日:2025年4月1日
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企業買収と人事部門の使命:時間を味方につける経営を実現できるか ─合併前後の調整役にはとどまらない─ CHRO FORUM
企業買収の成功は、経営戦略だけではなく人事戦略にかかっている。にもかかわらず、多くの企業では、人事部門が受け身になっていないだろうか。人事部門の使命は、断層的な変化に対応できる人材を創出する仕組みを創ることである。企業も生物のような有機体であるので、現在の環境に最適化する方向に進化していく傾向がある。つまり、経営資源の効率性を追求して、生産性の高い主力部門に人材を集中配置し、生産性の低い部門の人材を縮小するという考え方だ。・・・(続きを読む)
掲載日:2025年3月3日
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人事部門は幹部に対し、権力の光と影を伝えることが必要だ ─権力を手放す恐怖と向き合って賞味期限を決めよう─ CHRO FORUM
一度手にした権力を手放すのは難しい 一度手にした権力を手放すのは難しい。それは権限に伴う「影響力を失うことへの恐怖」が大きいからだ。独裁者でなくても、立場による権限には影響力がある。大統領、大臣、会長、社長、事業部長、理事長、委員長、師団長、監督等、その名称は様々だが、その責任は決断、判断であり、その権限には部下への広範な影響力が含まれる。自分が抱いている目的を達成するために、目標に進むために、権限を行使できることは、快の感情をもたらす。したがって、立ちはだかる壁があれば、それを「乗り越えていこう」「壊していこう」という意欲が高まっていく傾向がある。権力者にとっては、権限を行使し影響力を発揮することが、モチベーションのエンジンとなる。したがって、そこに邁進していくエネルギーが生まれるわけだ。・・・(続きを読む)
掲載日:2025年1月10日
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テレワークによる生産性の向上効果に再注目しよう
─対面オフィス回帰は上司都合の短絡的な発想かもしれない─ CHRO FORUM最近は、米国の大手企業でもテレワークを廃止したり、縮小する動きが目立っている。・・・(続きを読む)
掲載日:2024年12月2日
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マネージャーの指導はなぜすべるのか ─正しい指示こそが指導だと思い込んでいるかもしれない─ CHRO FORUM
どんな組織のマネージャーにも、その使命は2つある。第1に、組織の目的を理解した上でチームの力を結集して期限までに目標を達成すること、第2に、一人ひとりの部下の能力を高めて成長を促進することだ。例外としては、日本のプロ野球のように、一軍監督が主にペナントレースでの勝利を優先し、二軍監督が選手の育成を優先するという分業形式のケースもある。しかし、基本的には企業でも官公庁でもNPO法人でも、あらゆる組織は、目標達成と部下の成長を両立させることが求められている。ところが、功を焦るマネージャーは、部下を統率することで業績目標を達成しようとする傾向が強い。・・・(続きを読む)
掲載日:2024年11月1日
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「体験」をキーワードにマーケティング理論で人事を考える─職場ではなく売場の発想をしてみると─ CHRO FORUM
人が活動する場所として、人事部門は「職場」を想定し、マーケティング部門では「売場」を想定する。職場で社員に期待されるのは、会社の目的を理解し、目標を共有し、その達成に協力して邁進することである。一方、売場でお客様に期待されるのは、商品やサービスへの関心を高め、ロイヤルカスタマーとなって会社に収益をもたらすことである。 これを人間の心理の面から考えると、どちらもその場所に好感を持ち、積極的に行きたくなる場であることが条件と言えるだろう。 マーケティング部門は、売場にお客様に来てもらうために、お客様の満足度を高め、不安、不信などを取り除くために、様々な努力をする。これに対して、人事部門は職場に社員に来てもらうために、社員の満足度を高め、不安、不信を取り除く努力をどれほど行っているだろうか。・・・(続きを読む)
掲載日:2024年10月1日
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心理的安全性を部下の2つの権利の視点から考える
─上司の指示に対して「疑問権」と「異論権」が行使できるか─ CHRO FORUM心理的安全性というキーワードが、人事部門でもテーマとなっており、最近はそれを実現するための研修も目立つ。ただ、その研修の内容を見ると、従来のコミュニケーション研修の焼き直しに過ぎないものもある。確かに、チーム内における心理的安全性とは、チームの中でメンバー同士が信頼し合える環境をつくることで実現する。私は心理的安全性とは、コミュニケーションの技法の延長線上にあるものではなく、「リーダーの権利」と「メンバーの権利」の構造を把握するところから出発すべきだと考える。 企業における管理職を想定した場合に、労働法規や会社の就業規則を前提にして、管理職(リーダー)は以下のような権利を持っている。もちろん、独断で決定できるものではなく、上司や組織の機関決定が必要なものもある。・・・(続きを読む)
掲載日:2024年9月2日
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小手先の増収・増益対策の誘惑に負けない経営をする ―「動物園の目的」に集中した旭山動物園の経営から学ぶ― CHRO FORUM
勝者は、本質的な目的(=組織の存在目的)に基づいて自らゲームのルールを作っていく。敗者は、本質的な目的を忘れ、環境から与えられたゲームのルールの中で小手先で対応する。・・・(続きを読む)
掲載日:2024年8月1日
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昇格の決め手は「過去の成果」よりも「柔軟な学習力」だ ―新たな状況に対応する社員のパワーは「学習への意欲」から― CHRO FORUM
「井上支店長は、西日本で複数の支店の開業を成功させ営業推進部長に昇格したが、期待された成果が出せない」、このようなケースが目立つとしたら、支店長の努力を問うよりも、人事部門としてのテーマは、「昇格制度の設計と運用」に疑問を持ち、その改善や改革を考えることかもしれない。・・・(続きを読む)
掲載日:2024年7月1日
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人の成長可能性を発見する方法とは ―過去の実績をもとに将来に推測延長するだけで良いのか?― CHRO FORUM
新人の配属先を決めるとき、チーム編成を考えるとき、あるいは昇格者を決める場合において、「本人の将来の成長可能性」を読み込むことは最も重要なポイントである。人材は将棋の駒ではない。将棋の駒は敵陣に入ると初めて働き方が成長変化するが、人材の働き方がいつ、どのように変化するかは未定である。・・・(続きを読む)
掲載日:2024年6月3日
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会議の品質向上を考えたことはありますか? ―意思決定の場である会議スタイルは旧態依然かもしれない― CHRO FORUM
今回は、企業の生産性の低さの原因の1つが「会議の品質」であることに注目し、「会議の改革」についての手段を紹介したい。・・・(続きを読む)
掲載日:2024年5月7日
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新入社員が直面する4大ストレスを理解するには ―学生から社会人への結界を超える場面で感情の揺らぎ― CHRO FORUM
4月になると、街には一見してわかる新入生、新社会人の姿が目立つ。その表情や身のこなし方には、希望と戸惑いが感じられる。学生から社会人へ、結界を超えた世界に入った若者は感情的に大きく揺さぶられる。その表面上の爽やかな振る舞いにもかかわらず、次のような4大ストレスに直面している。ところが、先輩達は過去に自分が経験したストレスを断片的にしか覚えていない。今回は、新人が直面するストレスをテーマに、先輩や上司がどのように対応するのが望ましいかを考えてみよう。・・・(続きを読む)
掲載日:2024年4月1日




