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2025年1月10日 

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人材開発

人事部門は幹部に対し、権力の光と影を伝えることが必要だ ─権力を手放す恐怖と向き合って賞味期限を決めよう─

藤岡 長道

合同会社FJRC 代表社員、日本人材マネジメント協会(JSHRM)元理事長
株式会社J-Labo 主席研究員、CMA 日本証券アナリスト協会会員(職業倫理試験委員)
システム監査技術者、上級システムアドミニストレータ、アクションラーニングコーチ

一度手にした権力を手放すのは難しい

 一度手にした権力を手放すのは難しい。それは権限に伴う「影響力を失うことへの恐怖」が大きいからだ。独裁者でなくても、立場による権限には影響力がある。大統領、大臣、会長、社長、事業部長、理事長、委員長、師団長、監督等、その名称は様々だが、その責任は決断、判断であり、その権限には部下への広範な影響力が含まれる。自分が抱いている目的を達成するために、目標に進むために、権限を行使できることは、快の感情をもたらす。したがって、立ちはだかる壁があれば、それを「乗り越えていこう」「壊していこう」という意欲が高まっていく傾向がある。権力者にとっては、権限を行使し影響力を発揮することが、モチベーションのエンジンとなる。したがって、そこに邁進していくエネルギーが生まれるわけだ。

 影響力の二本柱は、部下に対する人事の処遇(業務分担や昇格)と報酬(金銭や福利厚生)の処遇である。この影響力があればこそ、その地位は保全される。米国の大統領は絶大な権限を持つが、任期末が近くなると影響力が薄れ、しばしば「レイムダック(Lame duck)」と呼ばれる。権力の消滅時期が明確になれば権力者の影響力は減衰する。一度、権力の果実を味わった人物が、その権力を手放すまいと、地位にしがみついたり、後継者を指名しても、自分が院政を試みたり、キングメーカーとなろうとしたりするのも、そこに理由がある。

 部下や関係者は、権力者からの好影響(自分の得になること)を求め、悪影響(自分の損になること)を避けようとする。これは、善悪の問題ではなく、人間や動物の生存欲求として自然だろう。それが部下に自己保身的な行動を取らせる要因となる。上司の意見に従うことで安全を確保しようとする「イエスマン」の増加はその一例だ。若手のホープと期待されたり、中興の祖と持ち上げられたりした人物の周囲には、知らず知らずのうちに「イエスマン」が吸い寄せられてくる。

権力者は孤立し、自分を過信し、疑心暗鬼となる

 権力者が特権を享受し周囲から賞賛を受けていると、本人の優越感が高まり自らの能力を過信しやすくなる。そのような人物に対しては、周囲から「部長の頃は謙虚だったのに……」「前はあんな態度ではなかったのに」といった声を聞くことも多い。そのような環境に置かれると、権力者は次第に孤立を深めていく。地位が高くなるほど、部下が意見や懸念を伝えにくくなる傾向がある。これによって重要な情報が遮断され、変化の予兆が発見できず、判断の質が低下する。中国の古典、世界の歴史、経営史を読んでも、多くの事例が取り上げられている。

 「イエスマン」で幹部を固めた企業は、経営判断を誤り、将来に希望を持てなくなった有能な人材が去っていく。すべてのリーダーは自分の持っている権力が、自分の心の中にどんな恐怖の種を宿しているかを考慮しておこう。さらに、その恐怖から避けるために、どんな行動を取ろうとしているかを吟味することが必要だ。恐怖から逃れようとして取りがちな行動は、自分を過信し、周囲に対しては疑心暗鬼になることである。日本の経営の歴史の中でも、有能な経営者が、しばしば別名で「副社長キラー」と呼ばれ、次世代経営者の候補を捨て去って長期にわたって君臨し、会社を苦境に導いた事例が目立つ。

 権力者の過信は、組織全体に決定的なダメージを与える。例えば、2001年に破綻したエンロンでは、経営陣の威圧的な管理体制が部下の正直な発言を阻害し、不正行為を助長した。このようなケースでは、権力者が自分の安心を優先し、周囲のメンバーに恐怖を与えてコントロールする。組織のメンバーを統制する方法として、「相手を恐れさせ、自分の命令を遂行させるという方法」は安直な罠となる。日本でも粉飾決算、品質偽装など、経営者からのプレッシャーが原因とされる事例が多い。これらの事件は、権力者の過信がいかに組織全体の倫理観や判断力を歪めるかを示している。部下が疑問や異論を率直に述べられない環境では、「イエスマン」が跋扈し、新しい発想が抑制され、改善や改革の機会が失われる。

権力者は、自分の賞味期限を理解する必要がある

 権力を握るリーダーには、その影響力が最大限に発揮される「賞味期限」が存在する。自らの能力を過信し、その期限を見誤ることは、組織の停滞や衰退を招く大きなリスクである。歴史や現代の経営事例を振り返ると、成功を収めたリーダーほど、自分の役割の終わりを見極め、次世代にスムーズにバトンを渡す術を心得ていたことがわかる。賞味期限を見誤った歴史上の人物としては、ナポレオン・ボナパルトを挙げることができるだろう。ヨーロッパの覇者となった彼の支配は次第に反感を買い、ワーテルローの戦いでの敗北に至った。彼は、周囲の諸国の環境変化に気付けず、自身の能力への過信から無理を重ねた実例だ。同様に、経営の世界でも賞味期限を見誤ったリーダーは少なくない。

 一方で、自ら退く時期を見極めたリーダーも存在する。例えば、Apple社のスティーブ・ジョブズは、自身が退いた後のApple社の未来を見据え、ティム・クックに経営を託した。クックの得意とする運営効率化や供給網の強化は、ジョブズとは異なる手法だったが、これがApple社のさらなる成長を支えた。ジョブズの先見性は、自分のリーダーシップスタイル、気力、体力といった制約条件を的確に判断したことだろう。権力者が自分の賞味期限を見極めるためには、以下の3つの要素を冷静に観察することが求められる。

1.組織の環境変化:市場動向、競争相手の台頭、技術革新などを常に分析し、自分の性格やスキルセットがこれらに対応できているかを判断する。

2.自分の影響力の評価:組織の士気、意思決定の品質が低下していないかを確認する。

3.次世代リーダーの育成と選定:自分の後を任せる複数の候補者を早期に見つけ、その成長を支援する。

 権力は人を魅了し、自分が万能で不可欠だという幻想を抱かせる。しかし、権力に執着する害は大きい。組織の活力を奪い、変化への対応を遅らせ、自身も批判の的となる。これを避けるためには、権力を手放す恐怖と向き合い、権力は一時的なものと覚悟しなければならない。

Profile

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藤岡 長道(ふじおか ながみち)

日本人材マネジメント協会 元理事長、ATD JAPAN 元理事、合同会社FJRC 代表社員、株式会社J-Labo 主席研究員。ファイナンス分野から転身し組織開発・人材開発がライフワーク。野村総合研究所秘書室長、人材開発部長、野村證券企業調査部長、野村信託銀行取締役、野村證券人材開発部シニアHRDアドバイザー等を経験。ベンチャー企業を経てコンサルティング分野で独立。株式会社ワークハピネス チーフカタリスト、HR総研 上席コンサルタント等。ご質問などは nf@fjrc.co.jp へどうぞ。

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2025年1月10日

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