2024年3月15日
企業価値創造経営の本質(第45回)
事業ポートフォリオ・マネジメントについて
考える(第17回)
手島 直樹
小樽商科大学大学院 商学研究科 教授
前回の連載では、期待シナジーの算出をテーマとしたが、今回の連載では、期待シナジーの実現とM&Aにおけるコミュニケーションという2つのテーマを取り上げたい。
PMIでDay 1から成果を出すために
PMIは実行のフェーズであり、人、組織、そして文化といったソフトな側面が重視されることが多くなる。もちろん、別々の組織が1つに統合される以上、ソフトな側面を軽視してはM&Aの成功は期待できないが、PMIの唯一の目的は期待シナジーの実現である。ソフトな側面は「道具」であって、PMIの成果の決定要因はシナジーの実現総額である。最低限の成果は計画されたシナジーの実現であり、目指すべきは計画の超過達成となる。
2024年3月15日