2025年2月17日
私は松下電気産業(現パナソニックホールディングス)に入社以来、30年にわたって電機メーカーの経理財務畑を歩んできた。その間、マレーシアと中国(上海)で合計10年間勤務し、2カ国での金融会社設立にも携わった。2015年に機会を得て、J.フロントリテイリングに移り10年目を迎えている。
J.フロントリテイリングでのこの10年間は、企業価値向上に向けたRIOC経営と経営管理の高度化への取り組みに全社で挑み続けた10年間であり、次の目標に向けてさらなるチャレンジを始めたときでもある。
本日は、そうした当社のROIC経営の取り組みと経営管理の高度化について紹介し、これからの時代に求められるCFOの役割について、私の考えをお話しさせていただきたい。
異なる業態を傘下に持つという強みと小売業一辺倒からの脱却という課題
J.フロントリテイリングは、関西を中心とする百貨店の大丸と中部地区を中心とする松坂屋が経営統合し、2007年に設立された純粋持ち株会社である。20年3月には、都市型商業施設の開発・運営を行うパルコを完全子会社化した。同じ小売業態ではあるが、百貨店とパルコでは強みや顧客年齢層に大きな違いがある。こうした異なる小売業態を傘下に持つことが、当社の特徴の1つであり、強みでもある。互いのノウハウや資産を活用して、相乗効果を高めていけると考えるからだ。
2025年2月17日