企業文化とはどのように出来上がり、
そして、その変革は可能なのか？

中川 有紀子

立教大学大学院ビジネスデザイン研究科前特任教授
BDTI公益社団法人会社役員育成機構理事

ここ数年、御社の職場では、採用時に「カルチャーに合う人を採りたい」「カルチャーフィット」云々が話されていないだろうか？

　もし話されているのであれば、それでは果たして企業カルチャーとは具体的にどのような定義なのかを、しっかり説明できているだろうか？ バズワードのように「当社のカルチャー、カルチャーフィット」と話し、言葉に出す場合、その定義をしっかり社内で共有しておかないと、なんとなく「阿吽の呼吸であいまいでも互いに通じることがカルチャー」となってしまいかねない。そのような組織は、ダイバーシティ＆インクルージョン（D&I）レベルが低いと推察される。

　今回は、この企業文化（英語でコーポレートカルチャーと言う）の定義について、また、昨今多くのCEOがおっしゃられる「企業変革」はどのようにして可能になるのかについて、先行研究を紐解いて議論したい。