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「人間の質感」が失われていることへの危機感

 2019年7月、世界の経営学者、経済学者、政治家、企業家など約300人が参加した「新啓蒙」会議で、これからの経営は何を核に進めていくかを議論しました。その結論として示されたのが「株主価値最大化の否定」「顧客第一主義」「従業員の復権」でした。また8月には、米国の経済団体であるビジネスラウンドテーブルが「株主第一主義を撤廃する」と宣言しました。なぜこのような動きになってきたのでしょうか。

 現象学で知られるフッサールは、第1次世界大戦後の西欧の危機について「日常の数学化」によって人間の質感が失われているのではないかと主張しました。我々が見ているリアリティは、感覚的で主観的な「質」の世界です。これが科学になると、数式による「量」の世界になり、生き生きとした意味がなくなってしまう。だから我々は、もう一度原点に帰る必要がある、というのです。実は現在も、そのような危機を迎えているのではないかと思います。今の日本的経営の危機も、現代における3つの過剰(過剰分析・過剰計画・過剰規制)による、生き生きとした経験や意味、価値の喪失がもたらしたものだといえます。

2020年4月3日

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