2024年11月18日
映画に高齢化社会の現実を見る
久原 正治
久留米大学常務理事
昭和女子大学現代ビジネス研究所特別研究員
経営学博士
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『ファーザー』
2021年(現在アマゾンプライム他で配信中)、英仏合作
監督・脚本:フローリアン・ゼレル
主演:アンソニー・ホプキンス(父親役)、
オリビア・コールマン(娘役)
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『大いなる不在』
2024年7月(日本)
監督:近浦啓
主演:藤竜也(父親役)、森山未來(息子役)
絶賛公開中(現在一部地域)
©2023 CREATPS※公開情報は、2024年11月15日現在の情報です。
映画は時代を映す鏡、先進国の人口高齢化は映画製作にも影響し、高齢者問題をテーマとする映画は洋の東西を問わず数多くなっている。その中で、認知症を患う父親と介護問題に直面する働き盛りの娘や息子との関係を扱った欧日の秀作を2本紹介したい。高齢者だけでなく、介護の問題に直面する働き盛りのビジネスパーソンも、これらの映画を見て、高齢者問題を身近な問題として考えさせられることが多いのではなかろうか。
この2本の映画は似た設定で、知的な仕事に携わった後、一人暮らしとなった父親は自分が認知症であることを認めたがらず、親と離れて暮らす働き盛りの子供たちに突然大きな負担をかけることになる。その老人の心の内はどういうものなのか、子供たちはこの難問にどう対応するのか、映画はそのあたりを優れた映像でうまく表現している。
2024年11月18日