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2024年10月18日 

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経済体制を変えるナレッジとしての会計

 本日は、現在の日本で極めて大切なお話をさせていただきたい。かく言う私は何者かと言えば、2016年まで英国で20数年間暮らしていた関係で、名前がカタカナ表記になっているが日本生まれの日本人である。CFOの方々には、10年ほど前、IFRSの強制適用中止のきっかけとなった、金融庁に提出された『Oxford Report』(2012)の著者と申し上げるのが一番わかりやすいかもしれない。当時はさまざまな方面をお騒がせしたが、本日はその辺りにも触れながら話を進めていきたい。

 私は英国と日本だけではなく、中国やインドでも仕事をしてきた。中国では共産主義経済から市場主義経済への移行にあたって近代会計が果たすべきナレッジとしての役割を政府要人と進めてきた。8,000社の上場企業があるインドでは、短期利益最大化に代わり、企業がCSR(企業の社会的責任)を推進しやすい市場経済をつくるために、企業省大臣と共に損益計算書のフォーマット変更する法律を起草し施行した。

 また、日本の財務会計に関する歴史的な分析を行う中で、第二次世界大戦後の日本の会計(「商法─証取法─税法」会計)は「三方良し」の会計制度であり、実は英米よりもよほど優れた「真に民主的な会計」として推進されたことも指摘した。

 そうした下地があり、『Oxford Report』では不用意に国際会計基準を強制適用するのではなく、その国、その状況に応じて必要な会計を考えなければならないと主張した。株式会社制度や資本の論理がいつの時代にも世界共通であるなどということはあり得ず、現在の日本に必要な制度設計が必要であることを本日の講演でお話ししたい。

2024年10月18日

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