2022年8月18日
グローバル・コミュニケーション
よりよい多言語話者間の
コミュニケーションに向かって
猿橋 順子
一般社団法人グローバル・ビジネスコミュニケーション協会理事
青山学院大学教授
本名 信行
一般社団法人グローバル・ビジネスコミュニケーション協会代表理事
青山学院大学名誉教授
多言語話者間のコミュニケーション
看護・介護系の国際学会の運営をつとめる知人から、多言語話者間のコミュニケーションについて相談を受けた。英語で進められる運営会議には、英語を母語とする人と母語としない人とがおり、どうしても英語を母語とする人の発言力が強くなってしまうのだという。非母語話者たちの間にストレスが溜まっているのでなんとかできないだろうか、ということだった。
国際学会の運営メンバーは、そこで決まったことについて、それぞれの国に持ち帰り広く周知する。そうした活動によって、その国際学会に多くの国から広く参加者が集うことになり、活発な議論や創造的なアイディアが生まれる。同じように運営会議そのものが多国籍・多言語の背景をもつ人で構成され、異なる意見が等しく尊重され、新しいアイディアによって運営されていくことが望ましい。運営委員の各人が議論に積極的に参加することによって、その組織への帰属意識や愛着が高まり、組織外の人びとへの情報発信、広報にも熱が入ることになるからである。
2022年8月18日