2022年7月15日
多様性の高い組織のほうが、
良い結果が出る科学的根拠は?
中川 有紀子
株式会社インヴィニオ ESG/統合報告書アドバイザリーサービス事業部事業部長
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科前特任教授
慶応義塾大学商学博士
非財務情報開示が盛んに資本市場から要求されている。ESG経営のS(Social)の目玉は、「人的資本におけるD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の『現状とあるべき姿に進めていく定量およびプロセス』の開示」である。
昭和な経営を伝統的に引き継いでいる経営陣が未だおられると仮説を立てれば、「また、女性採用、育休制度、女性管理職登用の話か。もう十二分に育休制度も用意しているし、休む権利も時短権利も、黙って聞いて受け入れているじゃないか。もう少し本気で会社に貢献してほしいのだけどなあ。メンドクサイ」といった経営陣も多いのではないか。
私もこの6年間、複数企業で社外取締役をしているので、経営トップの考えは痛いほどよくわかる。かつ、博士論文も「ダイバーシティが企業業績に及ぼす要因分析」だったので、どういう条件下なら、ダイバーシティが組織のパフォーマンスに好影響を与え、ひいては企業業績(Tobin’s Q)に+のインパクトを与えるかも、専門家として深く研究してきた。
2022年7月15日