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抽象的で意味のない大きな言葉の効用

森本 紀行

HCアセットマネジメント株式会社
代表取締役社長

 「だまって俺についてこい」、これは「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の主題歌だが、哲学的に深い意味をもつ。金がない、彼女がいない、仕事がないという人生の難局について、そのうちなんとかなるだろうと簡単に一蹴して笑い飛ばしてしまうわけだが、その手法は、比較対象として、青い空、白い雲、波の果て、水平線、あかね雲といった途方もなく大きなものをもちだすことで、人生の大きな悩みを無にも等しい極小の瑣事に転じることなのである。

 途方もなく大きなものは、その対比において、全ての小さな差異を消滅させるわけだが、小さな差異にこそ意味は宿るのだから、全てを無意味化するものとして、それ自身が空疎で無意味なのである。実際、青い空は、それ自身としては、具体的意味のない純粋な抽象である。逆に、それ自身に意味がないからこそ、他の具体的な意味を消し去るだけの大きな力を発揮するのである。

2021年12月20日

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