2020年11月16日
Economic View
仏シンクタンクTAC Economics分析レポートサマリー
MacroFinance Research – October 2020
カントリー・フォーカス - インド
泉本 保彦
株式会社 日仏経済戦略研究所
代表取締役社長
izumimoto@i-es-fj.com
インド:中央銀行が複雑な要因を舵取りし、通貨は概ね安定
この度のパンデミックは、前例のない健康、社会、経済ショックをもたらし、活動が急激に収縮し、2021年の回復が制約されることになったが、適切な金融政策と公的銀行の資本増強は、システミックな問題の顕在化を防ぐことになるだろう。とはいっても、急速に悪化している財政がさらに悪化し、国際的な格付け機関によって格下げされる可能性もあり、短期的・中期的には金融・通貨のボラティリティーを引き起こすかもしれない。今のところ、総じて経済成長の継続というインドの長期的な見通しに大きな変化はなく、公的債務も持続的に維持するには十分な水準にあると考えられる。高水準の外貨準備により中央銀行は向こう18カ月間ルピー相場を概ね安定的に推移させることができるだろう。
2020年11月16日