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2019年8月20日 

TREASURY FORUM

サプライチェーン・ファイナンス(SCF)
第3回
SCFの実際の進め方・具体的な手順

矢野 孝尚

HSBCグループ
香港上海銀行 輸出入部長

 前回までの説明で、SCFの概要・導入目的・導入にあたっての主要検討事項を説明した。今回は、SCFの実際の進め方と具体的な手順について説明したい。

財務部門と調達部門の連携・共同責任体制が不可欠

 最初に、財務部門と調達部門の連携が不可欠なことを強調しておきたい。一般的にSCFの導入は財務部門が発端となって検討を始めることが多いが、会社としての機関決定まで財務が行い、それ以降はサプライヤーとの交渉を担う調達部門に丸投げしていることが多い。調達部門にとってサプライヤーとの買掛延伸交渉はできるだけ避けたい事項であり、財務から丸投げされると調達部門は面従腹背で結局動かない。このようなケースが「導入はしたが利用が進まない」結果を生みやすい。よって、初期の検討段階から調達部門を巻き込み一緒に検討して、機関決定後も財務と調達の両部門にそれぞれ推進責任者を置いて共同責任で推進することが必要である。

2019年8月20日

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