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2019年8月19日 

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グローバル・コミュニケーション

店舗内言語対応の点検
-業務日誌による調査-

本名 信行

青山学院大学名誉教授
一般社団法人グローバル・ビジネスコミュニケーション協会代表理事

猿橋 順子

青山学院大学教授
一般社団法人グローバル・ビジネスコミュニケーション協会理事

はじめに

 企業の中には、すでに言語対応を導入しているところもあるだろう。国際言語環境の変化に対処するための言語対応は、導入をして終わりではない。それが有効に運用されているか、新たな課題は生じていないか、継続的に見ていく必要がある。

言語対応の導入と現場運営

 大学生が授業の課題で実施したグループリサーチの結果で興味深い発見があった。偶然2つのグループが同じ鉄道会社の多言語対応を調査した。一方のグループからの報告は、外国人観光客の増加に応じて複数の言語対応を実施しているというものだった。もう一方のグループは、さまざまな国からの利用客に適切な対応ができていないというものだった。

 同じ企業を対象に調査を行ったのに、なぜこのような正反対の調査結果が報告されたのだろうか。両グループとも聞き取り調査からの報告だった。言語対応を積極的に行っていると報告したグループは、言語対応の企画と運営を担っている部署の人に聞き取りをした。一方、適切な対応ができていないと報告したグループは、外国人利用客の多い駅に立つ駅員に聞き取りを行った。二つの聞き取り調査に対照的な結論が導かれたのには、前者が言語対応の企画・デザインをする側で、後者が現場で実践する側という違いにあった。

2019年8月19日

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