2019年7月16日
ホワイトカラー犯罪と
日米のエリート検事の思考や行動
久原 正治
久留米大学理事
昭和女子大学現代ビジネス研究所特別研究員
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①特捜は「巨悪」を捕らえたか:
地検特捜部長の極秘メモ宗像紀夫
ワック 2019年4月 -
②DOING JUSTICE:
A Prosecutor’s Thoughts on Crime,
Punishment and the Rule of LawPreet Bharara
Bloomsbury Publishing PLC, March 2019
ゴーン事件を扱う東京地検特捜部1とウォール街の金融犯罪を扱うニューヨーク州南部地区連邦検事局2(United States Attorney's Office for the Southern District of New York)は、大きな経済事件を摘発することで我々にもなじみがある。しかし、我々は日米の検察組織の違いについて知らないことが多く、ましてやそこで働くエリート検事たちの思考や行動については、テレビドラマやマスコミの情報からうかがい知るのみだ。最近になって各組織のトップを務めた検事の回顧録が日米で相次いで出版された。これを読むと、日本の特捜部が犯罪の捜査および公判維持の双方に重点を置くのに対し、米国の連邦検事は公判活動に重点を置いているという違いがあるが、正義を追求する検事たちの思考や行動には共通点も多いことが分かる。
2019年7月16日