2019年9月17日
グローバル・コミュニケーション
いろいろなコミュニケーション・スタイル
-情報交換と人間関係-
本名 信行
青山学院大学名誉教授
一般社団法人グローバル・ビジネスコミュニケーション協会代表理事
猿橋 順子
青山学院大学教授
一般社団法人グローバル・ビジネスコミュニケーション協会理事
はじめに
ビジネスにおける最も有効なソフトパワーは、コミュニケーション能力である。ところが、コミュニケーションはあまりにも日常的な行為であるために、その仕組みと働きを把握することは極めて困難である。ここでは、コミュニケーションの目的(動機)を情報交換と人間関係の構築に定め、それぞれに適したコミュニケーション・スタイルについて考える。
情報交換のコミュニケーション
コミュニケーションは情報や知識の取得、伝達、交換、広報などに欠くことができない。科学技術の発達と革新にともない、コミュニケーションはこのためにあるとさえ考えられがちでもある。そして、このための効率的なコミュニケーションの方法が研究開発されてきた。よくあげられるのは、イギリスの言語哲学者H・P・グライス(H. P. Grice)が1967年に提示した、会話において話し手と聞き手が共有する「協調の原理」である。それは次の4条件にまとめられる。
2019年9月17日