エッセンシャルズ
-
流通大手の「セブン&アイ・ホールディングス」(以下、7&i)が、カナダの小売大手「アリマンタシォン・クシュタール」(以下、ATD)から買収提案を受けた。この買収提案は、多くの企業経営者の心胆を寒からしめたのではないだろうか。7&iは日本における時価総額ランキングで33位(9/6時点)に入る大企業である。こうした企業でも買収の標的になる時代がやってきた。・・・(続きを読む)
掲載日:2024年10月1日
-
最近、上場廃止する企業が目立っている。今年は4月までで既に40社近い企業が上場廃止となっており、中には大正製薬ホールディングス(HD)やベネッセホールディングス(HD)など、有名企業がMBO(Management Buy-Out、経営陣による自社買収)に多額の資金を投じる例も増えてきた。・・・(続きを読む)
掲載日:2024年8月1日
-
3月決算企業の株主総会シーズンも間近である。株主提案可能な期限も過ぎて胸をなでおろす企業もありそうだ。ただ、今や株主提案は株主総会ありきのものでもない。・・・(続きを読む)
掲載日:2024年6月3日
-
サステナビリティに関する分野の動きが急であることは論を俟たない。投資家の要請は勿論のこと、昨今は規制当局が明示的な規制を設けることへの対処も必要になっている。・・・(続きを読む)
掲載日:2024年4月1日
-
昨年末から今年初めにかけて、議決権行使助言会社ISS(Institutional Shareholder Services)及びグラスルイスの2024年版議決権行使助言方針の改定が公表された。両社の改定内容は異なるが、どちらも日本企業がコーポレートガバナンス分野で課題としている点を取り上げている。具体的に(少々私見も交えつつ)見てみることとしたい。・・・(続きを読む)
掲載日:2024年2月1日
-
最近、内部通報が話題に上ることが多い。件数自体も増えており、前年度の3,174件に対し、今年度は4月から9月までの半年で1,602件となっている(消費者庁)。特に8月は343件と例月から急増したという。この背景にビックモーターの件があるのはほぼ確実だろうが、それ以外にもタムロンの歴代2社長による計1億6000万円超の私的流用が内部通報により発覚したり、ジャニーズ問題においても内部通報制度の改革が求められるなど、企業の「闇」が暴かれるとともに、その手段としての内部通報も注目されるようになってきた。そもそも、企業における不正発覚経路のトップは内部通報である(図表1)。・・・(続きを読む)
掲載日:2023年12月1日
-
経済協力開発機構(OECD)は9月11日、「G20/OECDコーポレートガバナンス原則」を改訂し、「G20/OECDコーポレートガバナンス原則2023」を発効した。 同原則は2015年に策定され、今回が初改訂となる。G20サミットにて改訂が承認された。OECDの企業統治委員会の議長を務め、策定を主導した財務省の神田真人財務官は、日本経済新聞のインタビューに応え「我々の経済が今日直面している課題は、本質的にグローバルなものである。だからこそ、グローバルに協調した解決策が求められる」*1とし、今回の改訂をその1つと位置付けている。・・・(続きを読む)
掲載日:2023年10月2日
-
サステナビリティ分野におけるデジタル活用と法務部門に期待される役割
DX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉が人口に膾炙して久しい。この言葉は、経済産業省の策定したデジタル・ガバナンスコード2.0によれば、以下のように定義される。「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」。重要であることについては論を俟たない。経済産業省でも「サステナブルな企業価値創造に向けたサステナビリティ関連データの効率的な収集と戦略的活用に関するワーキング・グループ」なる取組もなされている。・・・(続きを読む)
掲載日:2023年8月1日
-
昨今の経営課題の中でも、最も重要な一つは間違いなく「人」に関するものだろう。しかし、これほど実態把握や評価の難しい分野もない。様々なフレームワークが援用されたり、ルール化が目指されたりといった状況にある。その中から、今回は二つの流れを考えてみたい。ひとつは「人的資本重視」の流れ、もうひとつは「企業と人の持つ権利との関係性重視」である。・・・(続きを読む)
掲載日:2023年6月1日
-
前回、サステナビリティ情報の開示義務化に関して、第一に「サステナビリティ全般に関する開示」、第二に「人的資本、多様性に関する開示」、第三に「コーポレートガバナンスに関する開示」が要請されていることをみた。また、第一の点については具体的な内容について取り扱った。今回は、第二及び第三の点についてみることとしたい。・・・(続きを読む)
掲載日:2023年4月3日
-
サステナビリティ情報の開示が遂に義務化される。備えは十分だろうか。中には、内容をまだ詳しく知らない人も多いように見受けられる。幾つかポイントを概観してみたい。・・・(続きを読む)
掲載日:2023年2月1日
-
環境の激変は、企業経営に大きな影響を及ぼしている。昨今のESG投資(Environment、Social、Governance)の隆盛はその大きな一つであろう。一時の大流行ともいえる盛り上がりは影を潜め、今では「ESGヘイト」と呼ばれる現象も増え、この呼称をやめるべきという声も出ている。・・・(続きを読む)
掲載日:2022年12月1日
-
最近、ステイクホルダー資本主義の流れの強まりからか、コーポレートガバナンスにおける「株主」と「経営者」との間の関係についての議論が薄まってきているようにも思われる。そこで改めて、コーポレートガバナンスの歴史を振り返り、現在の我々の立ち位置を再確認しておきたい。・・・(続きを読む)
掲載日:2022年10月3日
-
コーポレート・ガバナンス・コード(CGコード)が導入されてから早7年。先進企業では取締役会のありかたなど、様々な改革が行われてきた。それにより変化を実感している企業もあれば、業務量の増加に悲鳴を上げている企業もある。・・・(続きを読む)
掲載日:2022年8月1日
-
「日本企業には事業戦略はあるが、全社戦略がない」とよく言われる。もう少し掘り下げれば、「戦略自体あるのか」という気もする。かのマイケル・ポーターは、「殆どの日本企業には戦略がない」と批判した。その指摘は残念ながら全く古びていないように見える。・・・(続きを読む)
掲載日:2022年6月1日
-
ウクライナ危機はESGを滅ぼすか?―法務の役割はより重くなる
ウクライナ危機により、「ESGなど吹っ飛んだ」という見方がある。本当にそうだろうか。耳に心地良く響く「環境に優しい」「社会に嬉しい」といった綺麗ごとが一掃されたのは確かだ。・・・(続きを読む)
掲載日:2022年4月1日
-
2021年に再改訂されたコーポレートガバナンス・コードでは、新たに設けた原則の中で、取締役会で議論すべきテーマにまで踏み込んで言及している。「取締役会で議論すべき」と明記されたのは、①事業ポートフォリオマネジメント、②サステナビリティ、③全社リスクマネジメント、の三つである。・・・(続きを読む)
掲載日:2022年2月1日
-
買収合戦が賑やかだ。新生銀行に対するSBIのTOB表明、関西スーパーとH2Oリテーリングの統合に対するOKストアのTOB表明、アジア開発キャピタルによる東京機械の株式買い増し、ENEOSによるNIPPO完全子会社化のためのTOB、など、毎日のように様々なディールが紙面を飾る。最近の株式市場の動きは2000年前後にそっくりだとも言われる。・・・(続きを読む)
掲載日:2021年12月1日
-
今年度行われたコーポレートガバナンス・コードの再改訂においては、「監査の信頼性担保」は隠れた重要テーマだったのではないだろうか。TCFDや人的資本など、華々しく取り上げられるテーマの陰に隠れてやや地味ではあるものの、コーポレートガバナンスの要でもある監査について踏み込んで要請を行っていることは注目されよう。・・・(続きを読む)
掲載日:2021年10月1日
-
コーポレートガバナンス・コード(CGコード)の再改訂内容が決定した。改訂された原則は全部で14、新設された原則は5、実に83もの原則からなる“大著”となりつつある。CGコードとは別に、「投資家と企業の対話ガイドライン」も大幅に改訂されている。・・・(続きを読む)
掲載日:2021年8月2日