2025年2月3日

経営法務
企業におけるプライバシーガバナンス
第8回 プライバシーガバナンスとセキュリティ
関原 秀行
LINEヤフー株式会社 CPGO(Chief Privacy Governance Officer)
インハウスハブ東京法律事務所 弁護士
1 プライバシーガバナンスとセキュリティとの関係
現在、外部向けにサービスを提供する企業の多くは、自社の従業員の氏名、住所といった個人情報はもちろん、自社が提供するto C、to Bサービスにおける顧客の様々な個人情報を保有していることが通常である。そのように企業が保有する個人情報が、マルウェア(コンピュータやその利用者に被害をもたらすことを目的とした悪意あるソフトウェア)や不正アクセスといったサイバー攻撃により、漏えい、滅失、毀損した場合、攻撃の対象となった個人情報の対象者である本人に対し、漏えいした情報を不正利用した財産的被害や他者に知られたくない情報の閲覧・流出といった被害が発生するおそれがあり、それらはプライバシー侵害につながり得るものである。また、経営者の立場では、事前の対策やインシデント対応の不備、個人情報の不正流出の責任をとり、退任せざるを得ない事態にもなりかねない。
2025年2月3日