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2025年2月3日 

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アナリシス

SDGs経営と企業法務(22)
SDGs推進のための企業間の協業と法規制
─負の外部性に対処するサステナビリティ協定の振興に向けて─

阿部 博友

名古屋商科大学ビジネススクール 教授

はじめに

 競争法*1は、公正で自由な競争を促進するための法律であり、カルテルに代表される不当な取引制限や不公正な取引方法を幅広く規制している。特に、同業他社とのマーケットにおける競争にとって重要な情報の交換を伴う交流については、企業法務は、独占禁止法上の懸念から神経を尖らせて対応を図っている。一方で、近年はSDGs経営を目指して、企業がサステナビリティ協定を締結する例が増加している。これは、複数の企業が協力してサステナブルな生産活動や消費活動の促進を図るものであり、例えば気候変動への対応、環境汚染の削減、自然資源の使用の削減、人権の保護・尊重やフードロスの削減など、社会のサステナビリティ向上に向けた自主的な取り組みと評価される。この取り組みを通じて、企業はサステナブルな企業の成長を促しつつ、競争によって生ずる負の外部性の軽減を企図するものであるが、もし、こうした協業が競争法上の懸念を生じるのであれば、企業法務は、どのような対応を図るべきであろうか。

2025年2月3日

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