2021年12月1日
経営法務とアジャイル・ガバナンス
第1回 法を『共創』する経営法務を目指して
稲谷 龍彦
京都大学 大学院法学研究科 教授
1. はじめに:本連載の目的
「サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会*1」であるSociety 5.0は、日本政府によって未来の社会像として位置づけられている。サイバー空間とフィジカル空間とを融合させたシステムの構築を可能としたのは、周知のように、急速に発展・浸透したデジタル技術である。デジタル化は、社会に決定的で不可逆的な変化をもたらしつつある*2ように思われる。
2021年12月1日