2026年6月1日

米国弁護士 秋山の視点
トランプ政権の政策をめぐる憲法訴訟
――三権分立は機能しているのか――
秋山 武夫
ニューヨーク州弁護士
はじめに
アメリカの政治・司法を理解するうえで重要なのは、「連邦政府と州政府の関係(連邦制)」と、「議会・行政府・司法の関係(三権分立)」という2つの制度原理である。
新聞やニュースでは、例えば「移民規制をめぐる大統領令への差止訴訟」、「関税は本来議会権限ではないか」として争われる訴訟、あるいは「連邦政府と州政府が法廷で対立する事例」などが断片的に報じられている。
移民問題でいえば、大統領が安全保障や執行権限を根拠に先に政策を動かし、それを裁判所が後から審査するという構図がある。関税についても、本来議会に属する通商権限を、大統領が授権法を通じてどこまで行使できるのかが争点となっている。しかし、それらがどの制度的枠組みの中で起きているのかは、必ずしも十分説明されない。結果として、個々の政策対立が、制度のどの部分の緊張から生じているのかがみえにくくなる。
2026年6月1日





