2021年1月7日
人事マネジメント・サーベイ
経営・事業戦略と人事戦略を結ぶ
HRBP(人事ビジネスパートナー)機能の現状と課題
人事戦略が経営戦略と紐づいていない企業が多くあるということが前回の調査結果で判明したが、コロナ禍において抜本的な経営戦略の見直しも進められている中、人事部門における様々な取り組みが経営戦略と符合していなければ元も子もない。これは人事部門の責任というよりは、主に経営の責任というべきであろう。モノを作れば売れた高度成長時代の経営モデルを引きずっている多くの日本企業では、事業戦略はあっても経営戦略がない企業が多いのも現実であり、全社最適の視点による資源配分やリスク管理といったコーポレート機能についての期待値が明確でない経営陣が多い。とはいえ、人事部門が経営に貢献する形をとらずに経営陣に変化だけを求めるわけにもいかないだろう。
経営に貢献するという意味では、近年注目されている機能がHRBP(人事ビジネスパートナー)だ。事業目標の達成に向けて必要な組織開発や人材登用を行うなど、人事面から事業に貢献する経営・事業のパートナーとして、海外先進企業ではこの機能を置くところが多い。
しかしながら、このHRBPは概念的には理解できても、具体的にどのような仕事が求められ、どのように実装していけばよいのか定義も曖昧で、取り組んでいる企業も試行錯誤というのが実情のようだ。
2021年1月7日