2020年7月1日
マネジメント・アイ
日本の戦略vs.フランスの戦略
泉本 保彦
株式会社日仏経済戦略研究所
代表取締役社長
izumimoto@i-es-fj.com
私は5年間、パリで20⼈程度のフランス⼈だけのコンサルティング会社の経営に携わった。日本資本の会社とは言え、純粋なフランスの会社で、私の前任者は15年間ワンマン社長を続けたフランス人であったため、日系企業のクライアントはほとんどなかった。コンサルタントは全員がエンジニアもしくはサイエンティストで、多くはグランゼコール出身、博士号を持っている者もいたが、ほとんどは生産領域のコンサルティングを行っていた。フランスは長期にわたって工場を東欧や中国にシフトし続けていたので、生産コンサルティングのフランス市場は縮小傾向にあった。したがって、私の着任後は日本企業の開拓とR&D領域のコンサルティングに力を入れた。一般的に日本企業のフランス拠点では、ほぼ日本流のマネジメント体制が敷かれていたが、日本企業がフランスで買収したフランス企業の多くは、フランス流マネジメントと日本流マネジメントとのギャップに苦労していた。そして、それは今もあまり変わらない。
2020年7月1日