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2018年5月15日 

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Executive

これからのCFO、経理・財務部門に求められる姿
第6回
「CFOの求められる役割とスキルの総括」

昆 政彦

スリーエム ジャパン株式会社
代表取締役 副社長執行役員

CFOの役割の歴史的考察

 CFOの役割を論ずるにはCFOの定義が明確になっている必要があるが、日本では定義そのものが不明確であることが、この議論を複雑にしている。CFOは米国企業でいち早く取り入れられ、日本よりかなり明確な定義とコンセンサスが組まれている。株式市場を中心に戦後経済を組み立ててきた米国では、ステークホルダーに対し適切な財務報告を行うとともに株主要求を踏まえた経営を遂行する必要から、財務指標での経営手法がいち早く組み込まれた。この過程で「コントローラー」の職位が創設され、コントローラーはトレジャラーと双璧で経理・財務の基点で経営に加わっていた。コントローラーは、戦略のPDCAを回す社長の右腕として経営陣の中でも重要なポジションとして位置づけられてきた。1990年代に、ファイナンス理論の高度化・精緻化が進み資本コスト概念が企業経営に組み込まれる一方で、会計報告における会計理論の精緻化も進んでいった。コントローラー制度は、外部報告機能と事業支援機能を分割することによって消滅するとともに、トレジャリー機能にもファイナンス機能が付加されることとなった。さらに、株式市場や投資家は、過去の財務報告以上の企業情報を要求するに至り、IR(インベスター・リレーションズ)が新たな職責として設置された。そして、すでに社長の右腕として経営の舵取りを行っていたコントローラーが、トレジャリーおよびIRの職域も統轄することでCFOの役割が確立してきた。

2018年5月15日

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