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2016年5月16日 

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 会計の世界において、メディアでは不正会計やIT化による会計事務職の減少などネガティブな話題も目につくが、IoTという言葉に象徴される“社会の変化”は、経営者のマネジメントスタイルに変化をもたらし、さらにはバックエンドである会計の世界も着実に変えていくのではないかと考えられる。そこで当コーナーでは、企業会計や経営管理の基盤を支えている最先端のプレイヤーの方々をゲストとして迎え、IoTの時代に会計や経営管理の仕組みはどのように変わるのか、変わるべきなのか、将来を見据えたお話を伺っていく。

 第2回は2012年7月に設立され、スモールビジネス向けにクラウドによる全自動の会計ソフトを提供している急成長企業であるfreee株式会社の代表取締役社長佐々木大輔氏をお迎えした。

(インタビュー・執筆:日本CFO協会主任研究委員 櫻田修一)

freeeのビジネス展開

櫻田 世の中がネットワークの発達とともにどんどん変わっていくのに、日本の大企業の経理部門はテクノロジーの進歩に疎い傾向があり、「世の中、本当に変わっていくんだ」っていうメッセージを伝えたいというのが本稿の一番の目的です。私は2年ぐらい前にfreeeさんを知って、今までの会計システムの会社とは全く違うコンセプトで切り込んでいる人たちがついに来たなっていう思いがあって、実はこの企画以前に押しかけてお話をお伺いしたかったくらいなんです。次の世代の姿を創るプレイヤーの重要な一角を占めていると感じています。

佐々木 ありがとうございます。

櫻田 今のfreeeさんのビジネスの概要や顧客層、顧客数などをお教えいただきたいと思います。

佐々木 スモールビジネスに携わる全ての人が創造的な活動にフォーカスできるようにしたい、こういう思いでビジネスを展開しています。顧客は本業をやってさえいれば会計帳簿の作成や給与計算は自動で行われ、給与明細は自動で配られていく、こういう世界を目指しています。今では、経理や給与計算の事務に関しては、ずいぶんこれで自動化できてきたのではないかと思います。今後はこれに留まらず、行政手続き、あるいは金融機関とのやりとりなども含めてワンストップで自動的に、あるいは簡単にできるようにすることを目指しています。

 今のところ60万以上の事業所に利用いただいていて、クラウド会計ソフトというジャンルの中では、シェアトップの会計ソフトになっています。使われているのは、主に小さいビジネスの方が多いです。リリースして3年になりますけど、本当に最初の1年くらいは個人事業主の方に使われるというのがほとんどのケースでした。ただ、それが最近、去年ぐらいから法人の間で使われるようになり、法人のセグメントの成長率が大きくなりました。大きいところでは300人程度の規模の会社で使われている事例というのも出てきています。

櫻田 300人規模ですか。

佐々木 そうです。小規模の会社の場合には、経理の仕事は経営者の方がやっていることが多く、一生懸命に会計入力しても、入力したらパソコンを閉じてそこで終わり。でもfreeeを使うようになったら、入力する時間がいらなくなったので数字を見る時間ができるわけです。これがいちばん重要で、その数字を見て考えるきっかけができたというのは、凄くいいことで、経理・会計業務の中の創造的な部分だと思っています。

 それから去年の後半ぐらいからは、会計事務所さんとのパートナーシップというのも活用して、エンドユーザーである顧問先向けにより大きな価値を提供するということにも取り組んでいます。これまで会計事務所さんが顧問先に提供するサービスは記帳代行がメインになっていて、ここに終始してしまうと顧問先にとっては何カ月も経ってから試算表が出てくるなど、リアルタイムにビジネスが見えていません。そうであればそれを自動化しようと。そうすると仕事がなくなっちゃうじゃないですか、と言われるのですが、実はそういうことではなく、自動化することによって、どうやって数字を見るかというより付加価値の高いサービスを提供することができるわけです。顧問先のニーズにも適い、それによって単価も上がっていくだろうし、業界全体のプレゼンスも上がっていくでしょう。そういうよりよいサービスを提供するためのプラットフォームを提供していきたいと考えているところです。

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2016年5月16日

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