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2016年3月15日 

独立採算制を採らないという選択肢

金子 智朗

ブライトワイズコンサルティング合同会社
代表社員・公認会計士

 最近、分社化やカンパニー制などによって事業ごとの独立採算制を強める日本企業が目立つ。ソニーはすべての事業の分社化を表明している。東芝はPCや白物家電の分社化を検討している。シャープも、台湾の鴻海(ホンハイ)に買収されることになって分社化の案は白紙になったようだが、産業革新機構からの再建案の柱の1つは、液晶事業の分社化だった。トヨタも2016年4月からカンパニー制を導入すると伝えられている。

 管理単位を小さくして独立採算性を強めることには一理ある。多くの企業が理由に挙げるのは、意思決定の迅速化だ。さらに、赤字解消の打ち手としても効果的だ。管理単位が小さくなれば、1つ1つの管理単位ごとで改善の打ち手をイメージしやすくなる。利益に対する“自分のこと感”も高まる。そして、どんなに小さくても黒字の足し算は必ず黒字になるので、黒字化が課題の場合は有効であることが多い。実際、上で挙げた企業は、トヨタ以外すべて業績不振に苦しむ企業だ。ソニーは、分社化によって赤字続きだったエレキ事業を黒字化することに成功している。

2016年3月15日

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