2025年7月15日

日本企業のアクティビスト対応に関する最新調査[第4回]
手島 直樹
小樽商科大学大学院 商学研究科 教授
今回の連載は、一般社団法人日本CFO協会が実施した日本企業のアクティビスト対応に関するオンラインサーベイの結果報告の第4回として、事業ポートフォリオ・マネジメントをテーマに取り上げる。以下の5つの要素からサーベイ結果を検証する。
事業ポートフォリオ・マネジメント方針策定・開示
まずは、事業ポートフォリオ・マネジメント方針から確認する。日本には複数の事業を抱える大企業が多いため、事業ポートフォリオ・マネジメントの基本方針は不可欠と考えられるが、アクティビズム経験企業の55%が方針を策定・開示している一方、未経験企業の42%は方針策定の計画すらないのが現状である(図1)。事業ポートフォリオ・マネジメントにおけるアクティビストの要求としては、不採算事業の売却とノンコア事業のスピンオフが2大テーマとなっている以上、事業ポートフォリオ・マネジメントの基本方針を明確にすることは、アクティビスト対策として不可欠なアクションと言えよう。
2025年7月15日