2025年4月15日

【特集】
日本企業のアクティビスト対応に関する最新調査[第1回]
手島 直樹
小樽商科大学大学院 商学研究科 教授
イントロダクション
本稿においては、一般社団法人日本CFO協会が「活発化するアクティビストに対する日本企業の対応と課題」と題し、2024年12月から2025年2月に実施したオンラインサーベイの結果について5回にわたり報告する。調査対象は日本企業のCFOおよび財務幹部であり、195社からの回答を得ることができた。
本サーベイに関して特筆すべき点は、調査対象企業の半数がアクティビズム経験者であることだ。結局のところ、アクティビズム対策とは、アクティビズム経験者から学ぶことからスタートするといえる。私の考える最善のアクティビスト対策とは、アクティビストを寄せ付けないこと、そして次善の対策は、仮にアクティビストのターゲットとなったとしても、彼らをバリュー投資家にとどめエスカレーションさせないことであるが、いずれにせよアクティビズム経験者の対応に多くのヒントが隠されているのだ。
本サーベイは、アクティビズムに対する危機意識と認識、ガバナンス、資本政策、事業ポートフォリオ・マネジメント、そして有事におけるアクティビスト対応というテーマから構成されている。連載の第1回では、アクティビズムに対する危機意識と認識に関する調査結果を取り上げたい。
2025年4月15日