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2024年10月15日 

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財務マネジメント・サーベイ

グループガバナンスの現状と
今後に向けた課題

松田 千恵子

東京都立大学大学院 経営学研究科 教授
一般社団法人日本CFO協会主任研究委員

はじめに

 2015年のコーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード*1)導入により注目されたコーポレートガバナンス改革の流れは、2019年にはグループガバナンスにもその範囲を広げ、「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」(以下、GG指針*2)が経済産業省から公表されたほか、特に上場子会社問題等がクローズアップされることとなった。2023年にはコーポレートガバナンスの実質化が求められ、成長性と資本コストを見据えた収益性の向上等が謳われる中、傘下に複数の事業や子会社等を抱える大企業は、グループにおける事業ポートフォリオマネジメントへの対応や新たな成長戦略の実現を迫られている。

 一方、この間企業不祥事も目立っており、子会社等がその発生源となる事例も目につく。被買収企業や海外子会社に関しては、特に目が行き届かないという声も多い。これらを統括すべき親会社自身も、本社改革の真っ只中である。こうした状況を踏まえると、グループガバナンスとは目下、日本企業にとってかなり頭の痛い問題であると言えるだろう。

 今回は、そうした企業の実態を少しでも明らかにすべく、グループガバナンスに関するサーベイを実施した。アンケートに回答いただいた企業の詳細な属性は末尾に付す。本稿では、アンケートの結果をいくつか紹介しつつ、グループガバナンスに関する企業の現状と今後に向けた課題を考察する。

2024年10月15日

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