2024年3月15日
グローバル・コミュニケーション
社会実践としてのディスコース
猿橋 順子
青山学院大学国際政治経済学部教授
一般社団法人グローバル・ビジネスコミュニケーション協会理事
私たち人類は、世界をことばで置き換えて、見えるものも見えないものも、およそ知覚しうるものを言語によって把握し、表現しようとする。よく、人間の創造性や知性の証として、メタファー(隠喩)が引き合いに出される。メタファーとは、より具体的な概念から抽象的な概念を作り出す人間の言語活動であるが、どれほど具体的なものであっても、ことばに置き換えた途端、それは置き換えであり、そのものではありえない。そうやって作り出した、あまたのことばを、私たちは社会の営みのなかで使いながら暮らしている。この言語使用を指して「ディスコース」という。
2024年3月15日