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2023年3月15日 

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企業価値創造経営の本質(第39回)
事業ポートフォリオ・マネジメントについて
考える(第11回)

手島 直樹

小樽商科大学大学院 商学研究科 教授

 前回までの連載では、M&Aとアクティビズムの関連性について議論したが、今回はM&AをESGの視点から考えてみたい。

ESG:企業と投資家の視点

 ESGと言えば、企業の視点では情報開示の改善というイメージが強いかもしれない。実際、環境(E)に関しては、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に基づき、気候変動関連の開示を実施する企業が増加傾向にある。また、社会(S)に関しては、2023年3月期決算以降の有価証券報告書から人的資本に関する開示が義務付けられることになり、Sに関するディスクロージャーの大幅な改善が期待される。ファイナンス理論では、こうした情報開示の改善が資本コストを引き下げ、株価の上昇をもたらすと考えられている。

 一方、投資家の視点では、ESGの投資判断へのインテグレーションが重要性を増しつつある。実際、ESGスコアの改善が期待される企業を対象に、アクティブ運用を行うESGモメンタム戦略を活用する機関投資家も増えている。よって、投資先企業に対するESGエンゲージメントの機会がさらに増加するだろう。

2023年3月15日

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