2021年4月15日
Economic View
仏シンクタンクTAC Economics分析レポートサマリー
MacroFinance Research – March 2021
RiskWatch:カントリーリスクプレミアムの調整
─その原理と最も脆弱な新興国市場の概要
泉本 保彦
株式会社 日仏経済戦略研究所
代表取締役社長
izumimoto@i-es-fj.com
今号のマンスリーコメントでは、前号で発表した「Post-Covid過渡期における感度の総合指数」をさらに発展させ、カントリーリスクの広範な指標に組み込んだ。この指数のベーシスポイントへの換算は技術的に複雑であり、新興市場100カ国を相対的に見れば目立たないが、Covid-19調整により、パンデミックがカントリーリスク全体およびリスク要因の実現可能性に与える短期的な影響をよりよく捉えることができる。したがって、調整後のカントリーリスクプレミアムは、欧州では平均して低リスクのカテゴリーにとどまり、アジアでは中リスクの範囲にあるが、中東・北アフリカ、ラテンアメリカ、サブサハラ・アフリカでは平均して高リスクとなっており、経済状況と感染状況の両方に関連する短期的な脆弱性が高まっていることを示している。調整後のカントリーリスクプレミアムの地域別マップでは、各国の状況を確認することができる。
2021年4月15日