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2020年2月17日 

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» 「第19回CFOフォーラム・ジャパン2019」の詳細はこちら

パネリスト(ご氏名50音順)

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高倉 千春

味の素 理事
グローバル人事部長(CHRO)

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名取 勝也

名取法律事務所
代表弁護士

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日戸 興史

オムロン取締役執行役員
専務CFO兼
グローバル戦略本部長

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花田 琢也

日揮ホールディングス
常務執行役員
Chief Digital Officer
デジタル統括部長、
人財・組織開発管掌

モデレータ

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昆 政彦 氏

スリーエムジャパン代表取締役 副社長執行役員
一般社団法人日本CFO協会 理事/主任研究委員

コーポレート部門はいかなる価値で戦略部門になれるか

 ありがとうございました。「コーポレート部門がどういう形で戦略部門になっていけるのか」「戦略化を阻害している要因とその解決策は何か」について、議論していきたいと思います。
 先ほど名取さんからIBMの紹介がありましたが、私もスリーエム、GEにいた経験から、米国企業でグローバル化を果たすための一つの大きな柱は、「社内言語は会計」であることです。「会計の社内言語化」はグローバル化における最低限必要な条件であろうと私は理解しています。会計の社内言語化なくして全体最適はなしえません。そういう意味では、米国企業のCFOもしくはCFO部門のステイタスは日本企業とは少し違います。ここが、日本企業がしっかりと打ち立てなければならない部分であり、本日ご来場の皆さんが力を発揮すべきところだと思っています。
 名取さんはCFOとは少し異なる視点をお持ちだと思います。先ほどご紹介いただいIBMのグローバル化を踏まえて、「日本企業のグローバル化にあたって阻害要因になっているものは何か」「何を変えればいいのか」についてお願いします。

トップポリシーなくしてグローバルマネージなし
―日本人が抱える3つのハンディキャップ

名取 一つ目「グローバルの視点を持つとはどういうことか」と相談に来られる皆さんに、私はあえて極論を申し上げています。IBMの経験から言えば、明確なポリシー(方針)を決めて、基本的にはトップダウンで全世界にエンフォースする。議論を重ね、説得し、理解を促し、それでも最後まで納得しない人には出ていってもらう。極めて単純かつ一方的な経営のスタイルです。しかし、こうした強いトップダウンがなければ、グローバルできっちりマネージできないのではないかと思います。そのとき私自身も感じた日本人のハンディキャップの一つは、コミュニケーションスキル、つまり「言語のハンディキャップ」です。「日本語で話せれば説得できるのに!」と、私も何度も悔しい思いをしたものです。これから先も、残念ながら日本語が世界の標準語になる可能性は極めて低いでしょう。
 二つ目は、「気力のハンディキャップ」です。日本人は、「それぞれの国で、異なる考え方の人がいて、それなりに言い分も理由もあるだろう」と考えがちです。米国人は、基本的にはそうした考えはありません。「本社で決めたことが正しい。従うように」というのが一般的です。もちろん、徹底的に議論や説明をしてくれますが、最後は「嫌なら辞めろ」というスタイルです。日本人にとっては、これは「文化の壁、気力の壁」と言えるでしょう。
 三つ目は「体力の壁」です。時差の壁と言い換えてもいいでしょう。かつての私の上司であったアジアパシフィックのジェネラルカウンセルの担当領域のアジアパシフィック地域は非常に広く、時差の広い地域です。にもかかわらず、上司は四六時中電話をかけまくり、メールを打って、報告を上げさせて、すべてチェックしていました。上司は2代続けて家庭を持った女性でしたが、私生活を犠牲にするほどのハードワークをこなしていました。
 私は「アジアパシフィックのジェネラルカウンセルのキャリアを考えてみたらどうか?」と問われたとき、「私はけっこうです。とてもできません」とお断りしました。「言葉も気力も体力ももちません」と。アジアパシフィック地域でもそれだけのハードワークですから、グローバルで行うにはさらに大きな負荷がかかります。米国企業のエグゼクティブを見ていると、すべてをなげうって仕事に没頭していました。そこには微塵の迷いも感じることはありませんでした。同じようにやるべきだと申し上げているわけではありません。そうした経営スタイルの人たちがアメリカの企業をけん引しているのは、一面の事実であろうと感じています。

 ありがとうございます。弁護士事務所開設後の名取さんのパワーの素晴らしさは拝見しておりました。それでも足りないとなると、グローバルをけん引するにはすさまじい体力と気力が必要だというメッセージと受け取りました。

2020年2月17日

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