2019年12月16日
Insight
会社の競争力を引き上げるCFOの新たな役割⑳
VUCAな時代だからこそ、
DX戦略を踏まえた企業のあり方を考え直す
─CFOは未来志向経営準備をどうするか─
寺川 尚人
テラ・マネジメント・デザイン株式会社 代表取締役社長
株式会社Indigo Blue 代表取締役社長
企業の競争力=差別化であることがますます大事な時代になり、未来に目を向けて準備をしなければならないと思っていない会社はない。
しかし、本当にそのための準備ができていると声高らかに言える会社がどのくらいあるだろうか?
VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:不透明性)化がすすむと、今までやってきた強みと言えるインタンジブルなアセットやノウハウ、蓄積した経験が急速に陳腐化し、貴重だったプロの知識や経験の賞味期間が恐ろしいほどに短くなり、価値を失う確率が高くなることを正しく認めることが肝要だ。物事の変化に気づかずに、ビジネスに悪さを起こし始めてから気づいたのでは手遅れになりかねない。
従来の勝ちパターンはいずれ不適応を起こし、おそらく全ての業界、業種のビジネスモデルやビジネスの仕方は通用しなくなる。従来のビジネスにおいては、再定義が避けて通れなくなるし、否応なしに生じてくるビジネス環境の変化に適応できないということにもなる。
つまり、VUCAな環境においては、企業の根幹(コア)を変えることも辞さないくらいの不退転の覚悟と、やり切る勇気と実行力が試される。そして、それを可能にする人材がいることがマスト要件となる。
2019年12月16日