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2018年8月20日 

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ストラテジー

企業の本質的価値の考察

スティーブ・スローマン

PwCアドバイザリー合同会社
M&Aトランザクション モデリング&バリューコンサルティング
パートナー

 企業には、自社の本質的価値に着眼し、投資家の期待値を上回るパフォーマンスを実現することが求められている。

 上場企業の経営陣であれば誰しも、株価にどの程度関心を向けるべきか頭を悩ませているのではないだろうか。これまで日本企業の経営陣は、外国企業の経営陣ほどには自社の株価に関心を向けてこなかったと言われてきたが、最近では、メディアを通じた資本市場のパフォーマンスに対する関心の高まりや、株主アクティビズムや機関投資家をはじめとする株主エンゲージメントの台頭により、経営陣の意思決定や企業戦略の良し悪しを反映する指標として、株主リターンへの関心が高まってきている状況にある。

 もっとも株主と同様に株価は企業にとって重要な指標であるものの、株価の決定要因が、業績、将来の見通し、その時々でのアセットクラス/リスク選好、株主構成、需給バランス、株主による流動的な期待値などが複雑に絡み合っているため、企業が株価をマネジメントしようとすることはほぼ不可能に近いものと捉えられがちである。

 このような状況において、経営陣が成長と変化を体現する企業体を創出し、投資家に対する持続可能なバリュー・プロポジションを構築することを後押しする指標が、本稿テーマで取り上げる本質的価値である。本質的価値は、規律をもって精緻に戦略オプションを定量評価することを通じて、企業の成長性とイノベーションを実現することを手助けするものである。

2018年8月20日

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