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2023年3月15日 

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「2030年にありたい世界、解決したい複雑な課題、
新しい企業価値」を創る武器としてのD&I

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中川 有紀子

株式会社インヴィニオ
ESG/統合報告書アドバイザリーサービス事業部事業部長
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科前特任教授
慶應義塾大学商学博士

まず、読者お一人おひとりへの質問から入りたい。改訂コーポレートガバナンスには以下のように明記してあるが、御社、御部門にとって、本当に多様性は必要なのか?

補充原則 2-4

■ 上場会社は、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等、中核人材の登用等における多様性の確保についての考え方と自主的かつ測定可能な目標を示すとともに、その状況を開示すべきである。

■中長期的な企業価値の向上に向けた人材戦略の重要性に鑑み、多様性の確保に向けた人材育成方針と社内環境整備方針をその実施状況と併せて開示すべきである。

 「多様な人を集めれば、今までとは違った考えや意見が出てきて、議論しながら固定観念を打ち破れて、これまでにないイノベーションが起こるらしい」

 果たしてこれは事実だろうか? 結果的に、コミュニケーションコストをインクルージョンするために、管理職はメンバー各位に気を配りながら、なんとかかんとか、業務プロセス改善でちょっとした違うアイデアが出てきた、少し生産性が上がった程度の結果になっていないか? これだけ多方面へのコミュニケーションに苦心して、この結果なら、同質性メンバーで阿吽の呼吸で仕事したほうがずっと短時間で効果的・効率的であると心の底では思っている読者の方も多いのでは? 実際、「単純な課題解決」であれば、同質性メンバー組織のほうが、早く大量に解決できる。

2023年3月15日

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