2020年12月1日
人材開発
経営を直接支援できる人事部門へ
藤岡 長道
日本人材マネジメント協会理事長、ATD JAPAN理事
合同会社FJRC 代表社員、株式会社ワークハピネス チーフ・カタリスト
株式会社J-Labo 主席研究員
人事部門の真の存在価値とは
「人事部門は経営者と社員どちらの味方か?」と問われたときに、私たちはどう説明するだろうか。突き詰めていくと「会社の生命と社員の生命はどちらが大事か」という問いだ。「会社の存続が前提でしょう」「人命は基本ですよ」といった当然の結論で済ませないでほしい。人事部門での経営戦略を議論する場合において、この設問を参加メンバーで真剣に議論することを推奨したい。これは会社が苦境になったから、新型コロナの影響だから人事として対策を考えようという発想ではない。参加者一人ひとりの価値観、また人事部門としての価値観を深め、人事部門の存在価値を再発見するプロセスとして必要だからだ。可能ならば、役職に無関係に参加メンバーを会社優先チーム、社員優先チームの対立する2チームに編成し、作戦タイムを設けてディベートをすることも有益だ。その議論のプロセスの中で、経営の課題、曖昧な前提条件、個人的な思い込み、自分の信念などを疑うことに意味がある。
2020年12月1日