2023年4月3日
経営法務とアジャイル・ガバナンス
第9回 法の共創に向けた動き(下)
稲谷 龍彦
京都大学大学院 法学研究科 教授
三 規制・制裁・責任の一体的改革
(一)はじめに
昨年3月に公表された『アジャイル・ガバナンスの概要と現状 *1』と題される報告書においては、政府が規制・制裁・責任に関わる法制度を一体的に改革し、企業によるアジャイル・ガバナンスの実践を推進するようなインセンティブ設計を行う必要性が説かれている。
また、デジタル原則の1つとしてのアジャイル・ガバナンス原則においても、「AI時代の事故責任分担について法制度・保険制度・公的救済等を含めた一体的な仕組みを整備すること*2 」が掲げられている。
2023年4月3日