2026年5月8日

米国弁護士 秋山の視点
トランプ政権の政策をめぐる憲法訴訟
――連邦制と州の緊張関係――
秋山 武夫
ニューヨーク州弁護士
はじめに
アメリカの政治・司法を理解するうえで重要なのは、「連邦政府と州政府の関係(連邦制)」と、「議会・行政府・司法の関係(三権分立)」という2つの制度原理である。
新聞やニュースでは、「移民をめぐる対立」「関税をめぐる訴訟」「連邦政府と州政府の衝突」といった出来事が断片的に報じられるが、それらがどの制度的枠組みの中で起きているのかは必ずしも説明されない。その結果、個々の政策対立が、制度のどの部分の緊張から生じているのかが見えにくくなる。
本稿では、トランプ政権下で実際に争われた政策と訴訟を手がかりに、連邦制が現実の政治過程においてどのような摩擦を生んでいるのかを整理する。日々の報道から「これは連邦の権限に属する問題なのか、州の権限の問題なのか」を読み取るための、基礎的な背景資料として位置づけたい。
2026年5月8日





