Insight

会社の競争力を引き上げるCFOの新たな役割㉒
過去に前例のない荒海を乗り越える時
企業のトリアージの優先度を確保し、
レジリエンスのある経営を作るには

　ここ数カ月で世の中の景色は一変した。アメリカは国家非常事態を宣言し、新型コロナウイルスの震源地は、中国の武漢から欧州に移った。

　もっか、株式相場の変動のボラティリティーは高く、暴落のスピードが速い。ビジネスにおいてはバリューチェーンの弱さが露呈し、またたくまに拡散した新型コロナウイルス感染の影響による経済インパクトや抑圧された生活の縛りは、想像を絶する状況になっている。グローバルでビジネスをするということが、こんなにリスクに晒され、不可抗力では済まない状況が様々あるのかと痛感している企業は多い。

　天災と扱うにはあまりにも大きく、ビジネスインパクトを吸収するには準備不足なため、多くの人がこの宿命をどう乗り越えていけばよいのかと、これまでに感じたことがないほどの危機を感じているのではないだろうか？ この危機をどう乗り越えるかのアクションで、企業の生き残りが決まるぐらいの分水嶺になりそうだ。

　新型コロナウイルスが蔓延し、世の中を激震させ、ビジネスが大変な状況になってきたが、当初からここまでビジネスにマイナスインパクトを与えると想定していた経営者がどれほどいただろうか？