2021年6月1日
タレントマネジメント
ネクストノーマルのタレントマネジメント
第2回 EVP(従業員価値提案)の確立
金井 恭太郎
マーサージャパン株式会社
組織・人事変革コンサルティング シニアマネージャー
第1回のコラムでは、パンデミック後の「ウォーフォータレント」時代のタレントマネジメントの姿を概観した。第2回から第6回は、第1回で取り上げた「重要性を増す5つのテーマ」について詳細を紹介する。今回は、EVP(従業員価値提案)の確立について取り扱う。
日本企業のエンゲージメントの状況
近年、注目されている概念にエンゲージメントがある。英語では「制約、約束、契約」などの意味をもつ言葉であるが、人事領域では「企業と社員が相互に提供する価値に合意し、社員の自発的な貢献意欲が高まっている状態を示す概念」と言える。このエンゲージメントだが、日本企業はグローバル企業と比較して一般的に低い傾向がある。マーサーが提供するエンゲージメントサーベイおいても、「自分には、会社の成功を支援するために通常期待される以上のことをしようという熱意がある」をはじめとする、エンゲージメントを直接的に測定する6つの設問全てにおいて、日本全産業平均はグローバル全産業平均を下回る結果となっている。
2021年6月1日