2019年11月1日
人材開発
人事という業務への関わり
藤岡 長道
日本人材マネジメント協会 理事長
証券アナリストとして、外国株ビジネスを立ち上げることに没頭していた私は、ある日突然、人材開発部長に着任した。その時期、大規模なメインフレームを前提にしたシステム開発から、サーバーやPC群を活用するCSS(クライアント・サーバー・システム)時代への転換期を迎えていた。当時、会社のビジネスの7割がIT分野であり、3割がコンサルティングと証券ビジネスに関わる調査だった。投資の分野でキャリアを積んできた私にとって、この人事異動は意外であり、すんなりと納得できるものではなかった。毎日が変化の激しい「攻める」タイプの証券ビジネスに比べて、人事の業務は「守り」のタイプだと思い、自分のキャリアプランの中では計画外だったからだ。だが、実感していたことは、インターネットの拡大とCPU、半導体メモリの技術進歩が新時代を開いているという事実だった。そして、産業構造が大きく変化する時代には、働く人の「価値観」「技能」にも変革が迫られていることを感じていた。
2019年11月1日