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2018年4月16日 

素人のガバナンスと
玄人のマネジメント

森本 紀行

HCアセットマネジメント株式会社
代表取締役社長

 高度に専門的な知見を要求される分野においては、その専門的知見を持つ者でないと事業運営ができず、したがって組織の経営もできない。実際、法律、会計、税務、医療、コンサルティングなどのプロフェッショナル業とされる分野では、組織自体がプロフェッショナルで構成されていて、その長も優れたプロフェッショナルから選任されている。

 しかし、他方で、いかにプロフェッショナル業といえども、その特定分野の専門的能力だけでは経営できないのも事実である。例えば、大学の経営では、頂点に教員組織が置かれているわけだが、多くの困難な経営課題に直面するなかで、いかに研究者として優れていても、経営者として適切に対処できるとは限らない。同じことは病院についてもいえる。有能な医師は必ずしも有能な病院経営者ではない。

 経営ということ自体、それ固有の知見を要求するのである。そして、経営技術と、プロフェッショナルとしての技術的な専門性の追求、即ちプロフェッショナリズムの貫徹との間には、適切な協働と牽制が機能しなくてはならない。そうでなければ、プロフェッショナル事業は成り立たない。

 ただし、プロフェッショナリズムの優越は動かし得ない。なぜなら、事業の経済的諸条件はプロフェッショナリズムを貫徹できるための前提条件だが、前提が整っていても、プロフェッショナリズムの倫理的側面も含めた社会的価値の創造がなされていないのならば、事業としての真の価値は実現できないからである。

専門馬鹿と素人のガバナンス

2018年4月16日

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