2017年7月18日
「花王ウェイ」と共に
●その原点と現況年
花王の創業は1887(明治20)年、原点は120年前に誕生した高級化粧石鹸である。ヨーロッパ製に劣らぬ高品質の「顔を洗っても大丈夫」な石鹸であることを伝えるために、発音が“顔”に通じる“花王石鹸”と名付けられたことが、現在の社名の起源となっている。
2016年12月期の連結の数字は、売上高1兆4,576億円、純利益1,279億円、従業員数3万3,000名。花王グループの全従業員は「花王ウェイ」と呼ばれるよきモノづくりへの理念を共有している。中でも私が最も重要だと思っているのは、「絶えざる革新」と「正道を歩む」である。
事業分野は化粧品等のビューティケア(41.3%)、紙おむつ等のヒューマンヘルスケア(18.7%)、洗剤等のファブリック&ホームケア(23.7%)の3つの家庭用品に加え、もう一つケミカル(16.3%)がある。家庭用品に比べてケミカルは一般には知られていないが、「原子力産業を除くすべての産業に関わっている」と担当者が言うほどに幅広い。さまざまな事業に生かされている技術の本質が、水と油をコントロールする界面科学である。かつて製造していたフロッピーディスクにも、フィルムに磁性粉を均一につける界面科学の技術が用いられていた。ケミカルは家庭用品の原料となる油脂、界面活性剤などの供給源でもあり、他社にも販売している。
グローバルで見ると、欧米・アジアの30を超える国と地域で事業展開している。逆に言えば、南米、中近東、アフリカはほぼ手つかずの世界であり、地域別の売上高では日本が約三分の二(66.2%)を占めている。
2017年7月18日