2017年6月15日
ストラテジー
CFOの役割
将来の企業価値創造の把握および定量的分析の重要性
山下 哲生
PwCアドバイザリー合同会社
M&Aトランザクション モデリング&バリューコンサルティング
ディレクター
はじめに
アベノミクス第3の矢として、資本市場へはスチュワードシップ・コード、企業へはコーポレート・ガバナンス・コードが整備され、伊藤レポート*において企業の持続的価値創造および日本経済の長期的・持続的成長の実現へ向けた資本市場と企業との関係性の枠組みが提言された。
伊藤レポートで提言されているひとつは、「企業側はグローバル投資家から認知されるには、最低限8%を上回るROEの達成をコミットすべきであり、継続的に8%を上回るROEの達成を追求する必要がある」であり、これが企業価値の持続的創造へ繋がる重要なポイントと考える。
さらに、企業側は資本コスト(WACC)および投下資本利益率(ROIC)に対する認識を高める必要性があると考える。何故ならば、企業が長期的・持続的成長機会を確保し、常に競争力を高めるにはWACCを上回るROICを生み出す必要性があるからだ。
*伊藤レポートとは、経済産業省が取り組む「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト(座長:伊藤邦雄 一橋大学大学院商学研究科教授)で約1年にわたる議論を経て発表された、「最終報告書(伊藤レポート)」を指す。
2017年6月15日