2015年10月15日
ファイナンシャル・マネジメント
非営利法人の資金調達~「学校債」について
堀内 勉
特定非営利活動法人アイ・エス・エル(ISL)
理事 兼 理事長 特任補佐
株式会社など営利法人の資金調達・運用を扱った、いわゆるコーポレートファイナンスの理論については、既に精緻な体系ができあがっており、研究書・教科書も数多く出版されている。他方、企業価値や株主価値に重点を置かない非営利法人のファイナンスについては、特にわが国においては、あまり多くの研究がなされているとは言えないのが現状である。非営利法人の中には、学校法人、NPO、医療法人、財団法人、宗教法人、公共団体など、さまざまなものがあるが、今回はまず、学校法人の資金調達における「学校債」について取り上げてみたい。
学校債の有用性と問題点
債券は、主として株式会社や政府および政府系機関を中心に発行されているが、非営利法人である学校法人でも、いわゆる「学校債」を発行しているところが散見される。学校債は、学校運営の資金調達のために、主として在校生の保護者を対象に、低利あるいは無利息で調達されるもので、営利法人のように多様な資金調達手段を持たない学校法人にとって、有用な資金調達手段となっている。
2015年10月15日