2023年8月18日
事例に学ぶデジタル活用の処方箋・二章
CFOの変革体験共有
~独SAP社のデータドリブン経営/FP&A機能高度化の軌跡と体験共有~
中野 浩志
SAPジャパン株式会社
早稲田大学大学院非常勤講師
一般社団法人日本CFO協会主任研究委員
日本企業は経理財務以外にも計数管理担当者が全社に分散しており、経営判断に必要なデータを収集・分析して経営資源の最適配分を全社目線で適時・適切に実施することが困難な企業が少なくない。そこで、最近注目されているのがFP&A(Financial Planning & Analysis)という機能(職種)である。FP&Aとは、会計・財務をバックグランドにもち、経営者や事業・機能責任者の意思決定をサポートするビジネスパートナーである。
外資系企業ではCFO傘下で確立されている機能であるが、2020年にNECがコーポレートトランスフォーメーションの一環としてFP&A部門を新設し、今年4月には富士通がデータを活用して経営・事業目標達成に貢献する真のビジネスパートナーに向けてFP&A組織の立ち上げを行うなど、日本でも徐々に広がりつつある。
コーポレート/トランスフォーメーションやファイナンストランスフォーメーションの中で、CFO組織のビジネスパートナー機能強化施策として検討・推進されるケースも多く、コーポレート/ファイナンストランスフォーメーションと同様に、「組織・プロセス・ルール・人・データ・システム」をバランスよく段階的に整備していくことが成功の鍵となる。
2023年8月18日