2022年2月15日
事例に学ぶデジタル活用の処方箋・二章
サステナビリティ経営実践事例
─グローバルトレンドと最新テクノロジー─
中野 浩志
SAPジャパン株式会社
早稲田大学大学院非常勤講師
一般社団法人日本CFO協会主任研究員
米国公認会計士 公認情報システム監査人
企業のサステナビリティと社会・環境のサステナビリティの同期化が求められる中、デジタルを活用したコーポレートトランスフォーメーションを推進する上で考慮したいのがサステナビリティの織り込みである。
独SAP社のサステナビリティ経営実践事例、エーザイ社のサステナビリティ実践事例で非財務KPIの経営管理への織り込み方について実例を紹介したが、本稿ではサステナビリティに関するグローバルトレンドとサステナビリティを意思決定・日常業務に織り込むための最新テクノロジーについて考察する。
サステナビリティに関する情報開示トレンド
非財務開示基準に関して様々な主体がそれぞれの立場で開示基準を策定し、開示基準が乱立することで企業が創造すべき価値の考え方に混乱が生じていたが、急速に収斂しつつある。
投資家向けという観点で注目したいのが、IFRS財団(国際財務報告基準財団)が2021年11月に発表したISSB(国際サステナビリティ基準審議会)の設立である。国際会計基準の策定を担うIFRS財団が非財務情報の基準作りに乗り出すことで混乱の解消が期待される。
2022年2月15日