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2021年5月17日 

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グローバル・コミュニケーション

インド英語素描
─語彙と文法から─

本名 信行

青山学院大学名誉教授
一般社団法人グローバル・ビジネスコミュニケーション協会代表理事

猿橋 順子

青山学院大学教授
一般社団法人グローバル・ビジネスコミュニケーション協会理事

英語はインドの準公用語

 インドは1947年の独立後も、多くのインド諸語の公用語に加えて、英語を準公用語(associate official language)として残した。そして、英語は現在、連邦の行政、司法、軍事のみならず、各州の経済、通商、教育、文化、メディアなどの面できわめて重要な役割を果たしている。英語は今や、インド人どうしが使う、インドの言語になっている。事実、インド文芸家協会(National Academy of Letters)は英語文学をインド文学のひとつに数えているし、国内で発行される英字新聞は、ほとんどインド人の手によって造られている。

 また、インド英語はインド亜大陸(あるいは南アジア)の英語といってもよく、パキスタン、バングラデシュ、ネパール、スリランカなどを包摂している。それぞれの英語には、音調、語彙、文法などに多くの類似性がみられる。さらに、アジア、ヨーロッパ、北米、アフリカに住むインド亜大陸出身者についても同じことがいえる。インド英語の話し手の数は途方もなく多い。インド英語に興味をもつことの意義はここにある。インド英語は実に多くの特徴を発達させているが、今回は語彙と文法の事例を概観する(表現と文体についてはグローバル・コミュニケーション85号「インド英語の万華鏡」参照)。

2021年5月17日

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