2020年9月15日

グローバル・コミュニケーション
メタファーを考える
本名 信行
青山学院大学名誉教授
一般社団法人グローバル・ビジネスコミュニケーション協会代表理事
猿橋 順子
青山学院大学教授
一般社団法人グローバル・ビジネスコミュニケーション協会理事
メタファーとは何か
メタファー(隠喩:metaphor)とは、ある概念を別の概念で把握し、表現する仕組みのことである。人間はこの装置を備えているからこそ、具体的で身近な概念を使って、抽象的で深淵な概念を把握できるのである。このように、メタファーは日常生活全般にみられる「世界を理解する活動」といってよい。
Aという概念をBという概念に見立てると、AはBの枠組みでとらえられることになる。日本人は「時の経過」を「川の流れ」にたとえる。そうすると、時間の経過は川の流れの特徴でとらえられる。川は山の高いところから、低いところに流れる。だから、「江戸時代にさか上ると」のように、「過去」は「上」にあることになる。「時代は下って昭和になると」では、時は「下」に向かって進行していることがわかる。
時間をお金に見立てた「時は金なり」(Time is money.)もわかりやすい。時間というとらえどころのない概念を、毎日使用するお金の概念にあてはめるのである。時間を「費やす」「節約する」「失う」「借りる」「浪費する」「取っておく」などといえるのはこのためである。これはほとんどの国の人びとが理解できるだろう。
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2020年9月15日